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美女にとって自分の身を守る術は、「一刻も早く誰かのものになってしまうこと」である。最も好きな人の胸に、周りに遠慮することなく飛び込んで、彼に守ってもらうことだ。彼の存在そのものが強力な御守りになる。
世界はそういう風に出来ている。
彼女が最も純粋で、皆少しずつズルい。
彼女を殺したものは純粋だった。彼女に陥れられたものと彼女自身も。
それでも、彼らはそれぞれ皆、互いを思いやっていた。
彼女が好きなモノを取らなかったからモンスターと化したのだと悟った彼は、好きなモノを取りに行く決意を固める。
彼女を陥れたものは、最も過酷な道を歩む。
彼に救済が訪れるかどうか。
訪れる。巡礼の旅で得たものそのものが、彼を救済する。
「差し出せるものがほとんど何もない」ということを、しきりに気にしていた。