すべての人間関係は、対等である。
それ以外は有り得ない。
例外を探そう。
出発点がどうであれ、向き合ったその人間関係は「対等であること」に収斂されていく。
「向き合う」行為が「対等であること」を要求する。呼び込む。
向き合った瞬間に、ひとは対等になるべく義務づけられると言っていい。言えるかどうか。証明を。
着地点が対等ではないとすれば、それは通過点である。通過途中で捥ぎ取られ、千切れた人間関係に於いては、通過点で停止する様が着地点であるかのように映る。
倒錯もまた、対等のひとつの姿である。(例: 谷崎潤一郎『春琴抄』)