花は、王子さまにとって最初の異性である。王子さまは自分が心奪われたことをなかなか理解しない。胸のざわめきを、不安を、恋に落ちて起きる変化を、花のせいにして飛び出す。

花は愛を告げる。

そして王子さまによってその命を絶たれることを受け入れる。

王子さまはその重大な、未来に予測される結末を、見ようとしない。

旅に出た後、たっぷりと向き合うことになる。

そして最終的に花を選び、花のところに戻る。

これは普遍性があるか否か。それとも、数ある個性の中のひとつの選択肢であるのか。




さて。花は王子さまを受け入れるのか否か。

受け入れなかった場合、王子さまの心は何処に向かうのか。

これには普遍性があるね。



花が王子さまを受け入れることが奨励されるとすれば、王子さまの気まぐれと幼さに翻弄されて、その命すら苦しみながら絶たれてしまう(=餓死だ!)花の存在とは何と哀れなものであろうか。

受け入れるにも、葛藤があるだろう。

成長した王子さまは、成長したとは言っても、花が自分を受け入れるのを「当たり前」だと考えるだろう。

「あの花は僕がいなければダメなんだ」とはそういうことだ。

ここにも普遍性がある。