なだいなだと言えば『TN君の伝記』名著です。

北一輝日本改造法案大綱』、倉橋由美子『聖少女』、平田オリザ『16歳のオリザの…長いので以下省略 自転車旅行日記だ』、なだいなだ『TN君の伝記』等々を教材に、授業をしてくれた先生がいた。こういうのに巡り合えるかどうかは運であり縁だが、この授業を活かせた生徒は何人いるだろうか。

価値のあるものに出会った時、突然出会った時、その価値に気付く自分でなければそれを活かすことはできない。その価値に全力を集中している人物は、他のことには手が回らず、その価値は虫を寄せ付ける花のようには見えない。

この先生は僅か1年間の教師生活だった。数学科→哲学科というルートで長く大学に在籍し、赴任時に30代後半だった。新卒で赴任し校長と喧嘩してやめたのだ。教科書などまるで使わず自作のレジュメを使っての授業だった。力の入った素晴らしい教材だったが、あれでは普通の公立校ではまず「もたない」