彼らの聖地を、今も守るのはアカだ。クロには距離が必要だった。そして、私をもうクロとは呼ぶなと言う。シロもまた、もうシロではないのだと。

シロは降りたがっていた。

「つくる」という象徴的な名前。

すべてに意味がある。すべてに怖ろしいくらい意味がある。「この世は必然だ。偶然の入り込む余地など無い」と言われているかのように。

これは破綻する物語だ。救済とは「知ること」だ。知ることとは、知らないことの範囲が膨大になることだ。感知できる暗闇が、広がることだ。

手に負えない暗闇を感知させることで、他者の手を取らせる。それが沙羅の願いだ。

沙羅って沙羅双樹だよね? 涅槃か。

涅槃に導く救い。年上の男との2者択一となるのは、四枯四栄。四方(それぞれの4名の色)の「双樹」のそれぞれ1本が枯れ、1本が繁茂するからだ。

半分は枯れ落ちる。