着物を着て、お茶を点てよう。気分がしゅっとする。
竪絽の着物。今年はこれで最後になるでしょう。そのまま出かけましょう。
気分が怠い時は、お茶に限る。お茶を点てるか筆を持つか。    

暑い。今年は蝉が少ない。ツクツクボウシも聞かない。
ツクツクボウシの代わりに茶筅の音を立てる。


茶道は次にすることが決まっているのが良い。
特に好きな所作もない。
一連の動きが均等に、同じような主張のなさ、意味のなさ、ムダの纏わりつき具合、
そこから清廉な空気を醸し出す魔法の宇宙である。


型が決まっていること、カタチが全てであること。


「特に好きな所作はない」と書いたが嘘である。
水指の上に柄杓を上向けて置き、すーっと手前側に指を滑らせて落ち着かせる動作が、昔から好きである。