タブーへの挑戦という意味合いがあったかどうか。あったかもしれない。しかし作者本人は「そりゃタブーじゃないよ」という意識だったのではないか。自分の発想に限界を設けてはならない。しかし現実に生きる世界の限界を無視してもいけない。だからこの話は「夢」という設定になっている。この装置が、不十分であったのだ。
限界を無視していなかったつもりが。目算が甘かった。結果論だが。
目算が甘いと、作者が作品をコントロール出来なくなり、惨事となる。
責任は著者にのみ帰すわけではない。版元は掲載誌を廃刊とした。表現の自由に対する圧力に屈したとも言える。